方向補語:動詞の後に置き、主に動作の方向、趨勢、結果、状態などを表す語を方向補語と言います。
方向補語は本義と派生義に分かれます。 (本義) (派生義)
本義:
方向補語には単純方向補語と複合方向補語があります。
単純方向補語→単純方向補語①単純方向補語②:移動・方向を表す単音節の動詞や方位詞に「来」,「去」をつけ、動作、行為の方向を表す補語を言います。
複合方向補語:単純①と②が組み合わさったものを言います。
単純方向補語①「来」/「去」→話し手を基準とする
動詞+来
動作が話し手を基準として、話し手に位置に近づいてくることを示します。
【基本文型】:
主語+動詞(+目的語)+来
他 回 来 了。(彼は帰ってきた。)
動詞+去
動作が話し手を基準として、話し手に位置から離れていくことを示します。
基本文型:
主語+動詞(+目的語)+去
他 进 (+房间里) 去 了。(彼は部屋の中に入って行った。)
※目的語の位置
●場所名詞が目的語となる場合
目的語は来/去の前に(動詞と補語の間)に置く。
例:他进教室里去了。
●人・事物が目的語となる場合
目的語は基本、方向補語「来」/「去」の前後どちらでも構いません。
例:她买来果汁了;她买果汁来了。
※動作がすでに発生している場合、目的語は「来」/「去」の前後にどちらでもOK。
例:请买果汁来;明天我们要带伞去。
※動作がまだ発生していない場合は、一般的に目的語を「来」/「去」の前に置く。
単純方向補語②「上,下,进,出,回,过,起,开」→移動する人/事物を基準とする。
具体的な方向、抽象的な方向を表すグループ。
動詞+上/下/进/出/回/过/起/开
「上」下から上への移動
飞上(飛び立つ) 小鸟飞上天了。 下から上へ移動
走下(歩いて降りる)他走下楼梯了。 上から下へ移動
跳进(飛び込む) 他跳进了河里。 外から内へ移動
拿出(取り出す) 他从包里拿出了 一支笔。 内から外へ移動
走过(通り過ぎる) 他走过了一家餐厅。 通過を表す
跑回(駆け戻る) 他跑回了公司。 元の場所に戻る
站起(立ち上がる) 她从椅子站起来了。 低い所から高い所への方向を表す
※否定は「不」ではなく「没」を使います。
例:小鸟没飞上天。
複合方向補語
她 走 出 教室 去。
主語 動詞 単純方向補語② 目的語 来/去(彼女は歩いて出ていく)
【基本文型】:
動詞+単純方向補語②(上/下/进/出/回/过/起/开)+来/去
※主な複合方向補語以下となります。
上 下 出 进 回 过 开 起
来 上来 下来 出来 进来 回来 过来 开来 起来
去 上去 下去 出去 进去 回去 过去 开去 -----
例:他走上来了。
他跑进来了。
小鸟飞过来了
動詞の移動の意味の有無による、複合方向補語の基本表現:
▲移動の意味を持つ動詞の場合:
肯定文:走进来。 ( 歩いて入ってくる。)
否定文:·a.不是走进来的,(歩いてきたのではない、走ってきた。)
是跑进来的。→※「不是~的」の間の動詞は動作の方式を表す。後に、「是~的」が続く。
b.没走进银行里去,(銀行の中に入ったのではない、郵便局に入った。)
走进邮局里去了。 ※目的語を否定する場合、「没」を使う。
完了文:他走了进来。 (歩いて入ってきた。)
他走进来了。 ※完了の「了」は動詞の後か、文末に置く。
目的語の位置:走进房间里来。(部屋の中に歩いて入ってくる)
※移動を表す動詞は、場所名詞を目的語として取るのが一般的。
場所目的語は来/去の前に置く。
▲移動の意味を持たない動詞の場合:
基本文:拿过来。 取り出す。
否定文:不拿过来。 取り出さない。
没拿过来。 取り出さなかった。
完了文:拿了过来。 取り出した。
拿过来了。 取り出した。
目的語の
位置: 拿出钱来。 お金を取り出す。 ※目的語が動詞の後 →最も一般的。
拿出来钱了。 お金を取り出した。 ※目的語が来/去の後 →動作が完了した場合。
拿钱出来。 お金を取り出しなさい。※目的語が来/去の前 →動作がまだ行われていない場合 。